Project A&Yの日記

フィリピンで見つけたプロダクツの販売をする『Project A&Y』の男女二人がそれぞれの生活について語ります。読書、本、アート、旅行から海外生活まで。

# READABOOKINSTEADOFSLIDETOUNLOCK ルーキーイヤーブックvol.1 日本語版

アメリカで、タヴィ・ゲビンソンちゃんという女の子が11歳の時に始めたウェブマガジン「Rookie」。10代の女の子たちがライターとして多数参加して、彼女たちの思いのたけをそれぞれに綴った記事や、憧れの大人へのインタビュー記事などを掲載した、素晴らしきガールズメディアです。このROOKIEでは、1年に1度、「ROOKIE YEAR BOOK」として、1年間の記事を再編集し、ビジュアルブックとして出版しています。その1冊目が、日本語版となって、今月出版されました。

本の出版情報は、こちら:

http://www.amazon.co.jp/dp/4907583680

 

ワタクシ、この本の下訳を行うインターンに参加させていただきました:)
それはそれはクリエイティブかつ本当に心揺さぶられる体験でした。
なにしろ、翻訳出版というハードルはそんな低いものではないだろうに、そこを実現した出版社と翻訳の多屋澄礼さん、それから山崎まどかさんに敬意を表したいです。

10代の女の子のためのメディアを、なぜ20代も後半というか、最後の1年な私が楽しんでしまっているのか。それはもはや、いまの10代の女の子たち、それから未来の10代の女の子たちへこれを伝えたいという思いに近いです。改めてルーキーのことを考えてみると、まるで自分の成長を感じるかのようでもあります。

というのも、今こうして、快くルーキーの存在を受け止めているのはこの年齢だからで、もう少し若かったら、多分私は悔しい思いをしていたように思います。「クッソ!こんないいことやっている女の子がもうすでにいたか!」と。その悔しさというのは、おそらく10代というか、そのぐらいの年代の頃に悩む「自分のあり方問題」のようなものからやってくるもので、そこらへんで生じる悩みをなにか、形にかえた集合体がきっとルーキーというメディアなんだと思います。

いろいろな女の子が参加していることで、「私も何か出来るかも!」と「私」が発信する主体になっていくとしたら、それは素晴らしいことです。ただ、「何か人とは違うことをできないといけない」という悪夢にはとりつかれてほしくないと思います。単純に、ルーキーを読んで、自分は何を考えているんだろうということ、自分が好きなこと、いやだと思うことに素直になるという態度が伝染していくといいなと思っています。単純なことだけど、本当に難しいことだから、ルーキーを通じて、同じような思いを抱える女子にであって、救われる女子たちがきっとたくさんいるはずだと願っています。

 

本当は、この「ルーキーイヤーブック」のなかのお気に入り記事などを紹介するのもいいかもしれませんが、ルーキーそのものは、おいておいて、「翻訳」ということを通して考えたこともあるので、書き記しておきたいと思います。

普段の仕事で行う翻訳は、日常的な事柄ではなくましてや若い女の子の文章ではないので、まず、「日本語は、感嘆の言葉があまりにも少ない」ということに気付いたのは、新しい発見でした。言葉と文化の関係性を知るようにも思いますが、英語にはあるけれど日本語には褒める文化がない、と言い切ってしまうのも怪しく思います。

外国(主に欧米なのが常)にはこういう考え方があるけれど、日本にはないから「ダメ」という言い方が私はあまり好きではありません。いいことと思うならば、どんどん日本で伝えていけばいいと思うし、あるいは作ったらいいと思います。翻訳もそのひとつの実践で、外国にある、日本にないこと(いいことであれ、わるいことであれ)が伝わって、いろいろな考え方、生活のあり方が多様性のひとつとなっていく世界がいいなと思っています。

いま、パートナーであるYが外国にいるという契機を活かしてやっている、私たちなりの実践がこのProject A&Yでもあったりするなよなぁと、あらあらおすすめの本からこのブログとその周辺のところまで考えがおよんでしまいました。それぐらい、ルーキーってすばらしいメディアなんです。最後に一言重要なことをいうと、ルーキーは、ヴィジュアル的にもカワイイよねッ!


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